2011/10/16

翻訳に泣く・・・ふたたび

以前にもこの日記で、同じテーマで愚痴ったことがあるのだけれど

むかし大好きで夢中になって読んだモンゴメリの「丘の家のジェーン」が、新訳になって出た。
もともとの村岡花子さんの訳は、少女時代の私にとって古めかしくて、「こけらいた」だの「鐘叩き」だの「大跨歩き」といったニックネームの類は特に「?」といった感じだったので、その辺どういう訳になっているのか楽しみで、早速読んでみた。

新訳はテンポよく読めて、確かに現代的・・・。
こけらいた」は「おかっぱ」 そうだったのかぁ~なるほどね。
鐘叩き」は「ディンドン」 そのままカタカナにしたのね。
大跨歩き」は「ヒトマタギ」 一跨ぎっていうことね。もしかして原語は"Strider"だったりしてね・・・(「馳夫」?)
と、このあたりまでは納得。新訳の方がなじみやすいかも!
主人公のトロントでの住まい「うららか街」が「ゲイ・ストリート」になっているのもまぁ、仕方ないかな?いまの子には「うららか」なんて言葉、なじみにくいわよね、なんとなく味気ないけど・・・。

でも、村岡訳と新訳、これおんなじこと言っているの?と疑問に思ってしまう部分も多い。何ヶ所か引用してみた。(引用は字の色を変えてあります)

村岡訳 冬リンゴ色の髪をした紅玉だね
新訳  レンガ色の髪をしたヒスイだね
とても、同じ少女を形容した言葉とは思えない!原語はなんて言ってるんだろ?紅玉と翡翠じゃ色が全く違うもの。

村岡訳 あの子は腹黒ですよ。あの子が生きているかぎりはケネディ老夫人は決して死ぬことがありませんよ。
新訳  あの子は腹黒なの。ケネディーのおばあさまも、あの子が生きている間は安心して死ねないわね。
私は、村岡訳をずっと「あの子はケネディ老婦人の腹黒さを受け継いでいますよ」と言われているという風にとっていたのだけれど、違うのかなぁ~。新訳では「腹黒いあの子がいる限りケネディーのおばあさまもおちおち死んでなどいられない」っていう意味にとれる。

村岡訳の「父さん」が新訳では「パパ」になっちゃうのはしかたないとしても、主人公の祖母のケネディ夫人の話し方など村岡訳の方が昔の人の持つ階級による雰囲気の違いのようなものをよくあらわしているように思えるのは、私も若くないっていうことかな?

なんといっても一番違和感を感じたのは、村岡訳で「上等のジェーンさん」とか「優秀なるジェーン」とか訳されている言葉が、新訳では「でかぶつ」ってなっていたこと。
でかぶつ」ってなぁに?大人物とか大物とかいう意味なのかしら?私にとっては、あまり耳にした事のない言葉だ。いまの子はそういう日本語使うの?訳者の方はとても気に入って使ってらっしゃる言葉のようだけど、なんだか嫌。原語はなんなんだろう?
この言葉一つで私の新訳に対するイメージは非常に残念なものになってしまった。

少女時代からずっと村岡花子さんの訳でモンゴメリの作品に親しんできた私が、新しい訳に違和感をいだくのは当然の話で、新しい訳にあれこれ言うのは失礼な話だというのはもちろん承知なんですけど・・・

あえて言っちゃいます!
作者は違うけど「小公女」に喩えて言えば、村岡訳がBBC制作のドラマの雰囲気とすれば、新訳は志田未来ちゃん主演で翻案ドラマ化されたものを彷彿とさせる・・・そのぐらいのギャップを感じてしまった。せめて、アニメの小公女ぐらいだったら・・・。

結局、密林で読めもしない原書をポチってしまいましたけど・・・(汗)

引用 新潮文庫 モンゴメリ作 村岡花子訳 丘の家のジェーン
    角川文庫 モンゴメリ作 木村由利子訳 丘の家のジェーン

| | コメント (10) | トラックバック (0)
|

2011/08/07

本選びの基準?

この時期、そりゃなんつったっておまけでしょ。お・ま・け!
スタンプとかストラップとかcoldsweats01

S英社文庫とか、K川文庫とか、夏休みの読書を啓蒙する意味か、最近文庫本を一冊買うとおまけがつく。
なので、読みたい本より、おまけがもらえる本という本末転倒の本選び。
K伊国屋のやさしいお姉さんに「好きなの選んでいいですよ~」なんて箱ごと差し出されて、年甲斐もなく真剣に欲しいの探しちゃった恥ずかしい誰かさんsweat01

おかげで、最近電車の中の読書は浅田次郎・椎名誠・小路幸也なんていう私にしてはかなりめずらしいラインナップ。

ひょっと手にした、有川浩の『図書館戦争』のシリーズにも、うっかり嵌っちまった。
若い子向けの・・・と思ってたけど、『言葉狩り』のことなどにも割とシビアに言及してるし・・・。難しい問題だけど、落語だって寄席で聴く方がその辺やっぱりのびのびしている気がする。ただ、久しぶりに聞く言葉にギョッとかするけど・・・。

おまけにつられて読書のシーズンもそろそろ終わりかな?
でも、見知らぬ道に迷い込んでみるのもたまには楽しかったdash

Dscn3029_3

| | コメント (12) | トラックバック (0)
|

2010/11/07

花の名前…そして植物図鑑

夏からこっち、梨木香歩の小説を何冊か、立て続けに読んでいる。

「りかさん」「からくりからくさ」「裏庭」そして「家守綺譚」…
この作家の物語を読んでいると、何だかしきりに幼いころを思い出す。

「りかさん」では祖母の家で遊んだ市松人形のこと。祖母が新婚旅行先の京都で買ったものだそうで、母たちは触らせてももらえなかったらしいが私はよく抱いて遊んだ。
今は私の手元にあるがここ何年箱からも出していない。来年のお雛様にはだしてみようかしら~とか・・・
「からくりからくさ」では、小1の頃ある日突然、学校から帰ってくると家に機織り機があって母が魔女よろしく大鍋を掻き回して糸を染めてたなぁとか…

「裏庭」は、何だか主人公の照美と私が持っている痛みを共有しているようなところがあって…
幼い頃後ろを振り返るといつも後ろからついてきた弟…ピアノの先生のおうちの隣にあった通称「お化け屋敷」、あそこも近所のお兄さんたちと一緒によく探検したっけ…それが振り向いてももうついてこないのだと感じた時のいたみ…
葬儀の手伝いにいらしていた知り合いのおばさま達が囁き交わしていた「あの坊っちゃんはIQが200以上もあって、親御さんも楽しみにしていらしただろうに、なにもあの子の方が…」という言葉に、自分こそ遺される価値のない子供だったのではと…と感じた、居場所のないようなやりきれない気持ち…
そんなことを何だか唐突に思いだして、主人公の照美に自分の昔を重ね合わせて涙してしまった。

…さて、梨木香歩の小説を読んでいると実にたくさん花の名前、植物の名前が出てくる。
花の名前をよく知っている女性は、女らしさと知性を兼ね備えたイメージがあるのだが、私はいたって無知。
最近読んだ「家守綺譚」は、実に愛嬌のある狐狸妖怪の類が登場して話が展開していくのだが、それぞれの章が主人公の住まう庭の植物の名前になっている。
どんな花か…インターネットは便利なもので検索をかければすぐ写真が出てくる。
でも、たまには植物図鑑なんかをひいてみたい気持にもなって、埃をはらいつつ標準原色図鑑全集なるものを持ち出してみる。

図鑑の植物は、写真ではなく緻密な絵だ。あぁ、こういう図案刺繍でも刺したっけ、あれはこの花だった…などと思って見ていると、図鑑も結構楽しい。時間を忘れて眺めてしまう。
ネットの検索もいいけど、まっすぐ目的にたどりついてしまう。
たまにはこうやって、寄り道しながら調べ物をするのも楽しい。…などと思いながら、風邪っぴきの午後図鑑を読みふける私。

…そうそう、少女時代大好きだったモンゴメリーの「丘の家のジェーン」。
この物語には、「オランダセリ」っていうニックネームの子が出てくるんだけど、ふと思い出してついでに調べてみた。これは原色図鑑では見つからず、ネットで調べたらなんと「パセリ」のことですと!積年の疑問が解決。それにしても、村岡花子様の時代にはパセリって一般的ではなかったのかしらん?

家守綺譚 (新潮文庫) 家守綺譚 (新潮文庫)
梨木 香歩

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫) 春になったら苺を摘みに (新潮文庫) りかさん (新潮文庫) 裏庭 (新潮文庫) エンジェル・エンジェル・エンジェル (新潮文庫)

by G-Tools

| | コメント (4) | トラックバック (0)
|

2008/12/07

電車の中で涙がぽろぽろ・・・

おとといの金曜日、ちょっと電車に長く乗って出かけることがあって手近にあった本をてにとって出かけた。

最近あわただしくて、ゆっくり本も読んでいられない。睡眠前の読書も、横になった途端パタン・ス~ッだし・・・。
そんな訳で、電車の中は貴重な読書タイム。
夢中になって読み進んでいくうち、不覚にも涙がツーッと一筋。
思わず上着の袖で涙をぬぐって「これはマズイ!」とは思いつつ、それでも執念深く読み続ける私。

ところが物語はますます佳境に!夢中になって我を忘れハッと気づいた時にはもう遅い。涙がぽろぽろ・・・ほほを濡らしている。
時あたかも、二子玉川を過ぎて電車が地上へと出たところ。
車内は日の光で明るい。おまけに空いている。マズイ!
あわててバックからハンカチを取り出し、目立たぬようにぬぐいつつ辺りをうかがうと、向かいに座っているサラリーマン氏(多分)と目があってしまった。

あぁ、恥ずかしい。

本をパタッと閉じ、なんでもない顔で車内の吊り広告にさりげなく目をやってみたものの、思わず周囲の視線を感じるのは自意識過剰?(・・・よねぇ、きっと)

で、読んでいたのはこれ。

トマシーナ (創元推理文庫)
山田 蘭
東京創元社 2004-05-25


by G-Tools

ケルトの雰囲気が漂う私好みの作品。
でも、最近読んだこの作者の一連の猫もの「猫語の教科書」「ジェニイ」が無事だったので、ポール・ギャリコがこういう涙腺を刺激するものも書く人だっていうことをすっかり忘れていた。不覚!

| | コメント (6) | トラックバック (0)
|

2008/01/03

新年早々・・・

新年早々、今朝は鳴り響く火災警報の音で起床。朝の四時過ぎ・・・
幸いポンプ室の火災検知器の誤作動とわかりホッとしたものの、それが確かめられるまで、一時は管理人さんが建物中確認して歩くやら、消防車が来るやらで大騒ぎだった。
築三十年の老朽集合住宅、思わぬところで綻びが・・・

思わぬ騒ぎで幕を明けた今年、どんな年になることやら。
一応一年の計など・・・
今年こそ、少し腰を落ち着けてピアノを練習したい。
このところシューマンばかり弾いていたが、ベートーヴェンも何か一曲やり直したい。
シューマンも昨年着手した、「ウィーンの謝肉祭の道化」全曲仕上げるまでは行かなくても、何とか音を並べられるようにはなりたい。
それより前に基礎を・・・指の独立をもう少し・・・やっぱりピシュナかしら?

本も読んでいるのだけれど、ちっとも感想とか書いてないし・・・
最初読書日記のつもりで始めたこのブログだったのに!

最近読んだのは、ケストナーの「ファービアン」
手許になくてずっと探していたのだが、ようやくちくま文庫で手に入れたので、久しぶりの再読。
改めて読み直してみると、意外に古くない。ケストナー描くところの第二次世界大戦前のドイツの退廃が現在の日本にオーバーラップして、何となくちょっと背筋が寒くなる。

4480024581 ファービアン―あるモラリストの物語
エーリッヒ ケストナー 小松 太郎
筑摩書房 1990-08

by G-Tools

もう一冊は、山崎豊子の「花のれん」
こちらは、古い文庫本を整理したのでたまたま目に付くところに置いてあった。暮れに新年の用意をしながら横目に観ていた「華麗なる一族」から、同じ作者ということで何気なく手にとった。Y本興行の創始者をモデルにした小説・・・
年末年始、どのチャンネルをひねっても出てくるお笑いの人たちに、こちらもなんだかちょっと複雑な気分。
花のれん 花のれん
山崎 豊子

by G-Tools

さぁ、明日は仕事始め・・・始業式の伴奏どこまで仕上がってるか・・・
スリリングだわ~。

| | コメント (4) | トラックバック (0)
|

2007/08/27

23+10巻いっき読み

この夏、片付けだけにいそしんでいたかと言うとそうでもなくて、七月末から八月にかけてシリーズ物二つをいっき読み。

一つは、佐伯泰英の「居眠り磐音 江戸双紙」という時代もののシリーズ。
実はこれ、母が一年ほど前からはまってて夢中になって読み耽っていたもの。私はそんなの・・・と思っていたのだが、そこら辺に置いてあったのをついうっかり手にとって読み出したら止まらない。折りしも8/9新刊発売となった23巻までノンストップで一気読み。

そこまで夢中になって読んどいて、この人の時代もの言葉使いがなんかちょっと・・・なんて言ってみても説得力がない?でも、妙にひっかかっちゃう・・・落語でも聞いてもう少し粋に・・・なぁんて勝手に思う私。
前後で矛盾のある記述に多々気づいてしまったのも、一気読みの弊害?こういうのって、編集者の人はチェックしないのかな?

まぁ深く考えず勢いで読んじゃいましょう。まだまだ、続きが楽しめそう!

陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫) 陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫)
佐伯 泰英

by G-Tools

もう一つは、「精霊の守り人」から始まる守り人・旅人シリーズ全十巻。
こちらは土曜日に、朝ごはん食べながら毎週見てるアニメの原作。
七月に最初の2冊が文庫化されてるのを見つけて、読んでみたら面白かった。続きも読みたいけど、子供向けの単行本を買うとなるとスペースが・・・手に入れるのは、文庫化されるのを待つとして、でも早く続きを読みたい!・・・というわけで、こういうときは図書館頼み。シリーズ予約していたら旧盆あけに揃いましたとのご連絡が!待ちかねていたので(その間磐音シリーズに浮気)とんでいって借りてきた。

作者の上橋菜穂子という方は、文化人類学を専攻なさった方だそうで、なるほどと思えるしっかりとした世界観が作品の土台となっている。女用心棒バルサのかっこよさと、新ヨゴ皇国の王子チャグムの成長を楽しみつつ、こちらも一気読み。特に「蒼路の旅人」から先はハラハラしながら読み進んでしまった。先へ先へと急いで読んだくせに、読み終わった途端、あの伏線も、このエピソードも厚みをもたせてふくらませてくれたらもっと長く楽しめたのに・・・なんて欲張りなことも・・・。

精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2) 精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
上橋 菜穂子

by G-Tools

・・・というわけで、節操のない私の読み散らかす読書・・・寝不足の八月!

| | コメント (6) | トラックバック (0)
|

2007/07/12

シェイクスピアを盗め!

ここにもよくコメントを下さるkimiさんの日記で紹介していらした『シェイクスピアを盗め!』これは私のストライクゾーンの本かも・・・ということで早速読んでみた。

孤児院で育ち徒弟として引き取られたブライト博士の下で速記術を仕込まれたウィッジは、その腕を見込んだ新しい主人から人気絶頂のシェイクスピアの新作「ハムレット」を盗むよう命じられ、グローブ座にもぐりこむのだが・・・

読み出したらやめられなくなって、続編の『シェイクスピアを代筆せよ!』『シェイクスピアの密使』の二編も含め一気読み。ただ、二巻目はあまりにもせつなすぎる展開にちょっとショック!多分原語で読めれば多分もっと面白い・・・タイトルも 「The Shakespeare Stealer」「Shakespeare's Scribe」「Shakespeare's Spy」とこだわってるし、ウィッジの訛りはどんな感じなのかしらとか、このジョークって原語だとどういう表現なのかしら?って思う箇所が多々あった。(但し、作者はアメリカ人・・・)

この本、ストーリーの展開とは別に、とても興味を引かれたのがグローブ座についての描写。去年、ウォルター・ホッジズの『シェイクスピアの劇場』(ちくま文庫)と『絵で見るシェイクスピアの舞台』(研究社)という本を読んだのだが(感想はこちら)、今回この二冊をひっぱり出して読んでみると相乗効果で楽しみが何倍にも!『シェイクスピアの劇場』の方は、このシリーズのために描かれた挿絵では!と思えるほどにいろいろな場面にぴったりの絵があったし、『絵で見る・・・』の方も、このシリーズを読んでから見直すと、当時の上演形態や舞台の仕掛けが活き活きと感じられる。
『シェイクスピアを盗めI』の中に≪三人の紳士をきどった男たちが舞台のうえに席をしめ、役者のゆく手に足を投げだし・・・(引用)≫という下りがあり、「えっ、舞台の上に観客?」と不思議に思ったのだが、この二冊の説明と挿絵を見て疑問が氷解。当時は、特権階級の人々が高いお金を払って舞台の上の席に座ることが許されていたらしい。そうした人たちは舞台の上で私語を交わしたり、カードをしたり、衣装を見せびらかしたりといきがって行儀の悪いことをした・・・とあるが、なんていうマナーの悪さなの!
そんな風に当時の風俗を思い浮かべながらの読書は楽しい。

でも・・・そういえばシェイクスピアのお芝居なんて久しく観てないなぁって、今度はお芝居行きたい病が発症?

シェイクスピアを盗め! シェイクスピアを盗め!
ゲアリー ブラックウッド Gary Blackwood 安達 まみ

by G-Tools
シェイクスピアを代筆せよ! シェイクスピアを代筆せよ!
ゲアリー ブラックウッド Gary Blackwood 安達 まみ

by G-Tools
シェイクスピアの密使 シェイクスピアの密使
ゲアリー ブラックウッド Gary Blackwood 安達 まみ

by G-Tools

| | コメント (6) | トラックバック (1)
|

2007/05/07

休日の徒然に(読書編)

この連休、バタバタ出歩いてじっくり読書という感じでもなかったけれど、そんな中読んだのがこの二冊。

4150115761 地球人のお荷物―ホーカ・シリーズ
ポール アンダースン ゴードン・R. ディクスン Poul Anderson
早川書房 2006-08

by G-Tools

実は、たまにこっそり覗くサイトで紹介していらしたので読み返す気になったこの本。
初めて読んだのはずいぶん以前、当時大学生だった弟に借りて読んだ。面白そうだから・・・というよりは、天野喜孝氏描くところのクマのイラストのカバーに惹かれて奪い取ったのだ。(最近復刊したらしいが、表紙のレイアウトが当時とちょと違う気も・・・)
惑星トーカに住むテディベアそっくりの外見のホーカ人が大活躍する。持ち前の頭脳と順応性で地球上のいろんな風俗をそっくり取り込んでしまうホーカたち、カウボーイになったり、シャーロックホームズになったり、スペイン海賊になったり、まさにテディベアのコスプレ?もとネタを知っていればパロディとしても楽しめる一冊・・・久しぶりに、ウフフと思いながら読んでしまった。
だって、私の頭の中ではわが家の老ぬいグマが主人公となって活躍するんですもの・・・

4003221915 アイヴァンホー〈上〉〈下〉
ウォルター スコット Walter Scott 菊池 武一
岩波書店 1964-01

by G-Tools

もう一冊はアイヴァンホー・・・名前はよく知っているのに読んだことがなかったこの本。
少し前にハワード・パイルのロビン・フッドを読み直していた頃、やはりたまに立ち寄るサイトで偶然にも同じ本の紹介を発見!そこにこのアイヴァンホーの紹介もあって、是非とも読んでみたくなった。ところが絶版になってしまっていて、図書館に予約を入れてようやくめぐり合うことができた。(連休中に神保町で古本もゲット♪)
中世イングランドを舞台に騎士アイヴァンホーとロウィーナ姫の恋、黒騎士に扮した獅子心王リチャードやロビン・フッドまでが大活躍するこのお話、何で今まで読んでなかったんだろう?とっても好み!
ただ、惜しむらくは訳がちょっと古い。“鹿肉のまんじゅう”って一体何?・・・どう考えても鹿肉のパイ?・・・ユダヤ人への偏見など時代を感じさせる部分もあるが、軽快な訳文だったらもっとワクワクしながら軽く読み進める気がする。岩波書店さま、どうぞ訳を新しくして復刊してくださいませ~。

| | コメント (10) | トラックバック (0)
|

2007/03/09

除籍図書

サトクリフ絡みでもうひとつ。

「はるかスコットランドの丘を越えて」という作品。17世紀イギリスの激動の時代を背景に、歴史の波に翻弄され非業の死を遂げなければならなかったスコットランドの勇将クレィヴァーハウスの半生を描いた歴史小説なのだが、私がこの本の存在を知った時もうすでに絶版になってしまっていた。
図書館で借りて読んだものの、出来れば手許においておきたい・・・とずっと探していたのだが、なかなか見つからなかった。ところが、先日某所のマーケットプレイスをチェックしたらなんと出品されているではないか!それも二冊も。
ただ、どちらも図書館で収蔵されていた本との記載。う~ん、どうしよう?もう少し状態のいいものをとは思ったがチャンスを逃すとめぐり合えないかも・・・と考え直し、はっきりと除籍図書と明記されていた方を購入。届いた本は、図書館で丁寧にカバーリングされていて見た目もきれいであまり手ずれていなかったのでひとまずホッ。よかった~。

今まであまり考えてみたこともなかったけれど、図書館の除籍図書って一体どういうルートを辿るのだろう?自治体によってはそういう本のバザーのような催しがあるのだろうか?なんだかちょっと気になったりして・・・。

Book_1_1 Book_2

| | コメント (6) | トラックバック (0)
|

2006/11/01

トリスタンとイゾルデ

・・・といっても、ワーグナーの楽劇ではなく映画の方。

実は、こんな映画をやっているなんて知りもしなかった私。主役の二人、ジェームズ・フランコとソフィア・マイルズも多分初めて見る役者さん、誘われたから行くという感じでそんなには期待してなかった。
ストーリーの方も、子どもの頃読んだ「アーサー王と円卓の騎士」(シドニー・ラニア編 福音館書店)の中に出てくるサー・トリストラムとイゾールドのエピソードをうっすらと覚えているだけだったし、楽劇の方も、祖父が好きでレコード聴いてたっけ・・・という記憶があるだけ。まぁ、お友達と会うのがメイン!みたいな気持ちで出かけて行ったのだけど・・・

個人的には、かなり面白かった。
なんせ舞台が、アーサー王伝説というか、私の好きなサトクリフの「ともしびをかかげて」~「落日の剣」辺りを彷彿とする世界。ピクトもブリトンもサクソンも、私にとってはみんなみんなおなじみさんだし・・・(笑)
それにしても、アイルランドからコーンウォールってあんな簡単なセール立てただけのボートで渡っていける距離なのだろうか?
映像も美しい。仮死状態になったトリスタンを葬るために舟にのせて海に流すところとか、マーク王とイゾルデの婚礼のシーンとか、何となく「ロード・オブ・ザ・リング」を思い起こさせる幻想的なシーンでもあるのだけれど、「あぁ、指輪物語ってやっぱりケルト的な世界だよなぁ~」ってそんな事考えながら眺めてしまった。
イゾルデとの政略結婚を賭けた武術試合(ここから二人の悲劇は始まるのだ)のシーンは何となく「グラディエーター」の闘技場のシーンと「ロックユー」(この映画ご存知の方は少ないかも)の馬上試合のシーンを足して二で割ったような・・・と思ってしまった。そういえば製作総指揮は「グラ・・・」のリドリー・スコットだし、マーク王役のルーファス・シーウェル(このシーンには出てこないけど)はアダマー伯爵役で「ロックユー」に出てたっけ・・・。
そう、このマーク王の役がとてもよかった、俳優さんも役柄も。この役あってこそのこの映画!最後の方はこの映画「トリスタンとマーク王」?っていう感じだった。
トリスタンとイゾルデが忍び会うシーンは、あまりにも愚かしく危なっかしくて・・・それも恋のなせる業?その分、マーク王の人間性が際立った。(ストーリーはこちらで)

大作でもないし、大物スターが出てるわけでもない、今流行のSFXを駆使したスペクタクルな戦闘シーンがあるわけでもない、でもとてもいい映画だったと思う。誘ってくれた友人に感謝したい気持ち。(・・・って、1時に映画終わってあわただしくランチして3時からの仕事に間に合うようにさよならする私じゃ、そのうち一緒に映画付き合ってくれる友達居なくなっちゃうかも!)

サトクリフの「トリスタンとイズー」も読んでみたくなった。

4806030430 トリスタンとイズー
ローズマリー サトクリフ Rosemary Sutcliff 井辻 朱美
沖積舎 1989-12

by G-Tools

| | コメント (10) | トラックバック (0)
|