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2006/05/21

プラド美術館展と「ポンペイの輝き」

先週は立て続けに二つの展覧会に出かけた。

水曜日に出かけたのは東京都美術館の「プラド美術館展」
ちょうど第三水曜日で、六十五歳以上無料の日だったためか、平日にもかかわらずかなり混んでいた。私の都合で水曜日にしたので、一緒に行った友人には気の毒だった。
ず~っと昔、学生時代に見学して大感激したプラド美術館・・・とは言っても、ベラスケスとグレコ、ゴヤ、ルーベンスの四人の作品を中心に見学しただけだったのだが・・・今回は、さまざまな画家の作品を鑑賞することができた。とくに面白かったのは、「皇妃マルガリータ・デ・アウストリア」の肖像。描いた画家は違うのに、スペインで観たベラスケスの「ラス・メニーナス」の中の面影そのままで、幼い王女の成長に思わず見入ってしまった。静物画のコレクションも陶器の質感などとてもリアルで素晴らしかった。
ただ、人が多くて大きな絵が多いにもかかわらず全て間近で見なければならなかった事と、ライティングの具合で斜めから観ると絵が光ってしまって見辛かったのが残念だった。

昨日出かけたのはBunkamuraで開かれている「ポンペイの輝き」(インドのボンベイではありません、念の為・・・)
実はこの展覧会、デパートの垂れ幕でしょっちゅう見かけていたし、チケットも頂いたのにあまりピンときていなかった。ところが、この展覧会を紹介していらっしゃるブログの記事を目にして、これは是非いかねば!となってしまった。
ローマン・ブリテンを舞台とした小説を愛読しているくせに、この時代本当に手術の技術がそこまであったのかしら?とか、青銅のランプってどんなものなのかしら?とかちょっと疑問に思っていた。この展覧会はそんな疑問に答えてくれそうな気がしたのだ。
午前中、会場直後の時間帯だったせいか、土曜日にもかかわらずゆっくり見ることができた。
先ず目を奪われたのは、さまざまな装飾品、いろいろなブランドのあのチェーンベルトやらジュエリーなども実はこういったものにヒントを得ていたのかと思うような、繊細なデザインと精緻な細工に驚く。香油入れと紹介されてガラス容器もまるで試験管のような造りだ。
そして医療道具、メス・ピンセット・探り針、そしてそれらを入れていたと思われる円筒形の容器、2000年も前に、これだけの用具を使っていたなんて・・・医療水準の高さをうかがい知ることができる。
実際の「グラディエーター」達の用いたという、兜や肩当て、脛当て等はかなり重そうで、こんなものを身につけて、どんな風に戦ったのだろうかと思ってしまった。
贅沢な装飾品だけではなく当時の人々の生活ぶりを偲ばせるような品物も多く展示されていて興味深い。ランプはまるでアラジンの魔法のランプのよう。
壁画はその修復作業の緻密さに、頭が下がる思いがした。
ちょっと気に入ったのは、アポロ像。連れているグリュプスの仕草に思わずサトクリフの「竜の子ラッキーと音楽師」のラッキーの姿を重ね合わせてしまった。

この展覧会には、大噴火で犠牲となった方々のご遺体の型取りも展示されていて、サージ(噴火による高温のガスの流れ)に襲われたその瞬間のままを留めている姿には、胸が痛くなった。
噴火によって、そこに封じ込められたからこそ、時と共に風化することなく遺された品々。
いかに文明を謳歌しようとも、大きな自然の力の前にはひとたまりもないのだという警告として受けとめるべきなのだと思う。

それでも、時を経て変らぬ金の輝きと文明の煌きに魅了された一時だった。

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コメント

こんにちは。ぴよこです。
先日はコメントありがとうございました。
プラド美術展は人が多い中で鑑賞されたとのこと。
美術品を前に、学生時代のことを思い出さたれたことでしょう。
関西にもこの美術展が開催されるそうなので、
楽しみにしております。

「ボンベイの輝き」はゆっくりご覧になり、よかったですね!
コメントの所々に感動されたことが、伝わってきました。
時代は変わっても森羅万象の大きさにはかなわないですね。

投稿: ぴよこ | 2006/05/23 11:11

ぴよこさん、こんばんは
今年の春は興味のある展覧会が多かったです。
もう一つ行きたかった藤田嗣冶の展覧会は、
とうとう行き損ねてしまいました。
プラド・・・よかったです。お時間があれば是非。

実は、この間ぴよこさんのところをのぞきに伺って
ベランダの手すりに撥水加工?のお隣の奥様に
大うけ・・・いえ、感心してしまいました。
ああいういう方が我が家のベランダをご覧になったら
きっと気絶なさいます。(汗)

投稿: totoko | 2006/05/23 20:31

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